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結婚式業界の矛盾

結婚式業界には「ブライダル産業新聞」という

結婚式業界で働く人向けの新聞があります。

これは結婚式業界に限らず、

飲食業・理美容業・運送業など

様々な業界で読まれている

いわゆる「業界新聞」です。

何が書いてあるの?

気になりますよね(笑)

「どこどこの会場が新規オープン」

「どこどこが来年チャペルをリニューアル」

「どこどこが新商品を開発・リリース」

最近はどの業界もみんな「働き方改革」の話題がすごいので

「こんなシステムを導入して社員の労働時間を削減」

こんな記事もあります。

そんな中、こんな記事を見つけました。

~まだまだ単価UPブライダル衣裳~〇〇〇〇〇〇

〇〇〇〇〇〇はご想像にお任せしますね(笑)

実はこの手の内容は、はるか昔からありました。

要は単価を上げて売上を上げたいって事です。

この発想

「矛盾」

していると言うか、

「顧客を見ていないというか」

「自分たちで自分たちの首を絞めるというか」

皆さんもご存知の通り、若者を中心に結婚式離れが起きています。

「結婚式に価値を見出せない」

「費用が高い」

「恥ずかしい」

色々な意見がありますが、

「費用が高い」

という意見が多いです。

そんな中、更に単価を上げようとしているわけですからね(笑)

結婚式にかかる平均総額は地域によって差がありますが、

おおよそ「300万円~350万円」です。

車より高い(笑)

プリウスなどのハイブリッドカーが約200万ほどで買えますから、

相当高いですよね。

しかも車は最低でも5年は乗れます。

200万円を5年と考えると1年で約40万円。

「税金や保険やガソリン代・・・」

確かにもっとお金は必要ですが、

「時間の短縮」と「快適さ」を車は与えてくれます。

結婚式は約半日ですから、半日で350万円と考えると

その高さに驚くと思います。

結婚式は人生の買い物の中で3番目に高い買い物と言われ、

「住宅や保険」に次ぐ順位です。

それなのにも関わらず、更に売上を上げようと・・・。

確かに売上は必要です。

お金が無ければ会社は無くなります。

社員さんにお給料が払えません。

ベースアップも止まります。

残業代も払えないし、お休みだってあげられません。

ですが、無意味な単価向上は必ず結婚式離れを更に加速させます。

結婚式を挙げるカップルが減っている。

そんななか売上を上げなきゃいけない。

もともと結婚式を挙げる予定のカップルの単価を上げる。

ざっとこんな縮図です。

どんな企業でもそうですが、日本の人口が減少し、国内の需要が見込めないとなれば

海外に進出する。

今やっている商売が伸び悩んでいるなら、

違う分野に進出してみるなど、

様々な努力をします。

悲しいというか残念な事に「結婚式業界」ってこの努力がないんです。

極端に言うと

「結婚式しかやりませーん!」

という感じです。

言い方は悪いですが、

結婚式を挙げてくれるカップルを「資源」とします。

「資源」は必ず枯渇します、数に限りがあるので。

それを乱獲した結果、結婚式場が出来過ぎました。

必ず近い将来結婚式場は半分程度になります。

で、結婚式を挙げるカップルから少しでも多くのお金を頂こうと。

それが結婚式場が生き残る方法だと勘違いしているんですよね。

「資源」に限りがあるなら、「資源」を後世に残す努力も必要です。

「資源」を増やす事も必要です。

この仕事が好きと言うのであれば、

私たちが働くこの業界に夢を抱ける、

そんな若者がたくさんいる素敵な業界を創りたいですよね。